[送料無料]　実際に応用できる　薬剤学実験　改訂版　東京廣川書店　

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ページ内良好

まえがき

従来、調剤技術に関する成書は二、三見うけられたが実際に応用できる実験 書とは程遠いものであった。したがって薬剤学に関する技術の平易な解説書の 要望が意外に多く、実際に渇望されている現状である。

調剤技術といえば乳鉢・乳棒による混和という一般的概念以上に出なかった 時代は既に去り、世はより科学的な、合理的薬剤技術の時代が到来しつつあ る。かかる見地から、技術向上の一段階としてまず誰にでも応用できる実験書 の企画は誠に時機を得たものとして、ここに将来完全な薬剤学実験書の実現へ の一示唆として本書試作の動機となった。しかしいかなる内容のものが適当で あるか、実際に応用できる実験書であるかは軽々しく結論できないが、まず一般 薬学生,工場,病院に勤務する薬剤師の薬剤技術の水準の向上を念願として、 新界の薬剤学担当教授および現病院薬局長, 製薬会社関係の技術陣等の新鋭に よって、その深奥なる経験なり、テクニックや新しいアイデアによる実験操作 なり、実際試験法について分担執筆を依頼したものである。

したがって本書は一般薬学生なり、ひろく薬剤師、その他の薬剤学を専攻さ れる諸氏にとって、薬剤学実験指針として姉妹書、最新薬剤学(廣川書店)と ともに活用しうることを確信する。

本書を発刊するに当り、そのレイアウトなり一般原稿の整理および校正等に ついてはもっぱら昭和薬科大学仙石忠良教授,三楽病院薬局長不破竜登代氏が 尽力されたのでここに厚く感謝する次第である。また出版に努力された廣川書 店廣川節男氏,整版印刷に協力された新日本印刷所の諸氏に敬意を表する次第 である。

昭和35年4月

著者一同