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アモーブルUSB中継 ノイズフィルター 20㎝ |
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1. コモンモードチョークコイルのスキュー改善機能
信号ラインにおいてコモンモードチョークコイルを使用する目的は主にコモンモードノイズの除去ですが、コモンモードチョークコイルがトランスの応用部品であることから、差動伝送回路のスキュー改善機能も期待できます。
差動伝送回路では両ラインが平衡に設計されていることが理想ですが、製造バラツキなどによって不平衡になってしまうことがあります。そうなると両ラインの信号到達時間のズレから伝送信号にスキューが発生します。(図1)
図2にコモンモードチョークコイルによってスキューが改善されるしくみを示します。
この働きが差動信号のタイミングを揃える結果となり、スキューが改善されます。図3に実際の実験結果を示します。
DOUT+とDOUT-を足し合わせたものは、両ラインのバランスがとれている場合は固定値になるはずですが、この場合はバランスが崩れているためにある程度存在します。
コモンモードチョークコイルを入れた場合は両ラインの立ち上がり・立ち下がりのタイミングが揃えられたためにDOUT+とDOUT-を足しあわせた成分はほぼ固定されており、スキューが改善されたことがわかります。
コモンモードチョークコイルの等価回路図は図4のようになります。
「これはコイルの巻き始めを示すのですか」という質問を時々受けますが、実はこの点の場所に何かがあるわけではなく、2つのコイルの磁気結合の方向性を示しています。
以前の記事(リンク⇒こちら)で、コモンモードチョークコイルの構造を説明しましたが、コモンモードチョークコイルとして働くためには、ふたつのコイルで発生した磁束が、コモンモード電流に対しては強め合い、ディファレンシャルモード電流に対しては打ち消し合う必要があります。
このため、2つのコイルの巻き方向の関係が違っていると、逆の働きをしてしまうことになります。