薩摩 椀形鐔 椀鐔 東郷示現流様式 鉄地 江戸時代〔検索：鍔・目貫・兜金・責金・石突・鯉口・刀・太刀・脇差・短刀・槍・薙刀・甲冑・兜〕

【所 見】

• 内容：椀形鐔、薩摩、東郷示現流様式
• 時代：江戸時代
• 縦長：七・〇五糎（センチメートル）有之
• 横長：六・二四糎有之
• 厚み：〇・五五糎有之（椀形最厚部）、〇・三九糎有之（切羽台厚み）

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【特 徴】

薩摩鐔の多くは小振りな姿形となっているがこれには薩摩藩の御家流剣術である東郷示現流が大きく影響していると云われている。東郷示現流の特徴は先ず機先を制するという点にあり敵の武具諸共叩き斬るといった果敢な剣法である。そのため東郷示現流には返し業という概念が無く敵刃を防ぐための鐔等は一切不要ということで同派を納めた薩摩藩士は好んで小鐔を用いた。薩摩鐔には上下に並ぶ小孔が開けられた遺作が散見される。これは細紐を通して鞘の栗型に結びつけるための孔である。東郷示現流では「刀は抜くものにあらず、針金をもって鞘に結びつけよ。止むを得ず抜いた場合には、一刀のもとに敵を倒すべし」と教示されているため東郷示現流の門弟等は小孔を開けた鐔を好んで用いた。鐔の材質としては鉄が最も多く他に赤銅・四分一・金無垢のものもある。薩摩金工界の二大流派は「小田系」と「知識系」が有り他には島津家では石黒政美や斎藤富随の様な江戸金工も召し抱えていた。本作は薩摩鐔の掟通り小振りな一枚で地鉄の潤いがすこぶる上質でありねっとりと練れた鍛えの良い椀形鉄地に雲海を巧みな彫りで見事に意匠している。椀鐔であるが南蛮文化の影響によるものと思われ薩摩鐔・肥後鐔にはまま見受けられる。東郷示現流様式に観られる上下に並ぶ小孔が開けられており数打ちとは一味違った豪華な一作で恐らくは上級武士が用いたものであろうか。高齢となり管理が難しいため薩摩鐔の蒐集家に是非ともお譲りしたい。※原則として貴重な文化財として手入れ・保存が出来る御方ルールを守れる御方のみご参加下さい。評価の低い方・新規入札の方は必ず質問欄より購入のご意思をお示し下さい。ノークレーム・ノーリターンとさせて頂きます。