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幕末維新の英雄山岡鉄舟所持『源清麿 弘化三年八月日 名物鉄舟清麿』新々刀の天才刀工 山岡鉄舟漢詩鞘書 昭和二十六年二桁番台大名登録品 |
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清磨は本名を山浦内蔵助環といい、文化十年に信州赤岩村に生まれました。
文政十二年に兄である真雄とともに上田藩工河村寿隆の門に入ります。
初銘は一貫斎正行と名乗りました。天保五年に師から秀寿の銘を贈られましたが
翌年には正行に戻しています。天保六年に江戸へ出て、幕臣で兵法家として
高名であった窪田清音のもとで学びます。天保十三年八月から長州で一年間
作刀し、弘化二年に江戸へ戻り、同三年秋頃から清磨に改めます。嘉永七年に
四十二歳で自刃します。長州への出奔説、酒害で作刀で出来なくなり命を絶った、
死後に残った債務は弟子が完済したなど様々な逸話伝説で彩られた悲劇の天才刀工
清磨ですが作刀を始めると鬼気迫り、他の追随を認めない名刀を生み出しました。
この刀は鎬造、庵棟、身幅広く、元先の幅差が少なく、重ねやや厚く、
反りやや浅めについて、先反りごころが僅かにつき切先は延びて大切先となっています。
幕末の動乱期という世相を反映した清麿らしい豪壮で頑健な刀姿をしていると思います。
鍛えは小板目肌が総じてよく練れて、流れ肌が交じり、地沸が微塵について、
荒めの地沸も交えて、地景が入って、清麿らしい力強い鍛えになっていると思います。
刃文は互の目乱れに、頭の丸い互の目、角ばる互の目、小互の目などが交じり、足入って、
葉も入り、沸よくついて、金筋や砂流しかかり、刃が明るく冴えています。
帽子は乱れ込んで先は尖って返り、掃きかけて、金筋、砂流しが入っています。
表に腰樋があり裏には護摩箸が彫られています。清麿と改めた直後の作刀で
彼が34歳と心身ともに気力に溢れた時期でまさに傑作中の傑作であると思います。
茎には微かに残る状態となっておりますが鉄舟と読める朱銘があります。
白鞘表には山岡鉄舟の鞘書があります。中国唐代の詩人で玄宗皇帝に仕えた
皇甫冉の漢詩を書いたもののようです。秋の水を見ると心は穏やかになる。
秋の松に向かうと自然と松の手入れをしているというような意味になるそうです。
秋の松に向かう気持ちとこの清麿を手入れする時の気持ちをかけたものと推測されます。
武芸のみならず書や漢詩に通じた鉄舟らしい率直な鞘書であると思います。
鉄舟は幕臣として江戸城無血開城などに関わりました。維新後は明治政府に出仕しますが
旧幕臣として徳川家存続などにも大きく関わっています。
昭和平成の大鑑定家である福永酔剣の鑑定折紙と鞘書があります。同氏によって
山岡鉄舟の所持刀という事にちなみ鉄舟清麿と命名された事が記されています。
長さ/二尺三寸一分五厘 反り四分
元幅/31.5mm 元重/6.8mm 先幅/24.2mm 先重/5.4mm 刀身のみの重量750g
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