良業物　二代「葵紋・越前康継」江戸(寛永〜寛文)

良業物…「葵紋・越前康継」…江戸(寛永〜寛文)

登録
大阪府教育委員会
令和三年十二月四日
No.132421
種別　　　刀
長さ　　　71.2センチ
反り　　　　2.2センチ
目釘穴　　1個　
銘
（表）（葵紋）二代目康継以南蛮鉄作之
（薬）寛文申戌年六月吉日嫡子康継銘之

越前にて康継初代が結城秀康に合力を受けて、慶長八年頃家康より葵紋と「康」の字を賜り「康継」に改め、隔年出府して鍛刀をしました。廉継は、十二代まで続きますがやはりこの「二代廉継」の刀が抜群の出来なのです。

この刀は二代康継が江戸神田紺屋町で作刀。嫡子(後の江戸三代康継)が幼い頃に父二代廉継は亡くなり、叔父「廉意」の後見にて鍛刀修行をしてやがて江戸で「三代廉継」として代を継承していくのです。寛文八年(1668)に嫡子の証とし、二代「葵紋廉継」作刀のこの刀に銘を彫り込んだと思われます。

銘は、「康継」の各代によって独特の特徴がありますが特に「継」と言う字の糸編と七画目の「L」の鑽の打ち方に癖がありそれによって各代が分別されます。この刀は偽物によくある「ためらい打ち」のない、スッキリと印影深く彫られた「葵紋」に二代、三代の「継」の鑽打ちの特徴が良く出ています。

刃紋は二代の特徴で浅い湾れ刃に小足が入り砂流しのかかったもので、反りも2．2センチと深く堂々とした見事な体配です。
傷、刃毀れ、鍛傷等はありません、古る研ぎですが鑑賞には全く問題もなく、刃もよく立っていますので良く斬れると思います。

追伸…鞘書き「葵紋　越前廉継　地刃典型価値大也之　昭和戌牛　歳如月吉日　薫山(花押)」…日本美術刀剣保存協会「特別貴重刀剣」付き。

大切にしてきたのですが今回少しコレクションを整理換金しようと思い出品しました。今回の出品で売り切るつもりでいますので宜しくお願い致します。