【大定盤】E.クライバー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団 ベートーベン 交響曲 第5番 英Decca 初期オレンジ金ラベルフラット内溝盤 LXT2851

商品の説明】
媒体：LP（12インチ）レコード 

レーベル・番号： LXT2851 オレンジ金ラベル フラットうち溝盤

プレス： 英RCA 英Decca

録音： 1953年9月26日 アムステルダム ホール

     録音プロデューサー：Victor Olof (uncredited) 録音エンジニア：Kenneth Wilkinson (uncredited)

説明不要の大々名盤、初期の英Deccaの交響曲録音の金字塔、エーリッヒ・クライバー指揮アムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団によるベートーベンの交響曲第5番です。1953年録音、リリースの英Decca LXT2000番台の交響曲の代表盤であり、かつ今なお、本曲の代表盤として名高い名盤中の名盤です。DX時代21世紀の今日に、本盤に針を落としてみると、この録音が70年以上も前のSPからモノーラル初期LPへの過渡期になされた、ということに驚愕せざるを得ません。立体的に音が展開して、耳を劈くようなハイファイ録音は数多くステレオ期にありますが、体全身に音圧を感じるような中低音のド迫力は本盤ならではのものです。もちろん、出だしの第1楽章の重厚感や第2楽章の美しさも素晴らしいですが、なんといっても最終楽章に向かって、暗闇の中から一筋の光が見えて、爆発する瞬間のオーケストラの轟はこの演奏の白眉です。耳からではなく、何度も体全体に押し寄せる凄まじい音圧はまさにWilkinson録音のなせる業であることが今では理解できます。私事で大変恐縮ですが、約50年前、中高のころから、ハスキルのモーツアルトやシゲティ、シェリングのバッハなど、さまざまな楽曲、演奏をアナログレコードにて聴いておりましたが、まだ初期盤やオリジナルプレスなど知らない時期に、（専門店ではなく）東京の郊外にあるなじみの「街のレコード店」にて、はじめて手にしたのがオリジナルの英プレスである本盤でした。ちょっと変わった古いレコードが入荷したと店主が教えてくれて、ちょうど検盤、洗浄を終えて、これから値付けをするところだとのことでした。それまでに、購入して聴いてきた盤とは明らかに違う異質な（英製造、印刷）ジャケットで、曲の冒頭の「ソ、ソ、ソ、ミー(♭）」の楽譜が印象的な素朴なもので、今にも破けそうな簡素な紙ジャケットでした。レコードも、通常の日本盤とは違って、ズシリと重く、これはどんな音がするのだろうと思いました。ぜひ購入させてください、と無理にお願いして、通常購入していた盤の5倍以上の値段を言われましたが即決しました。勇んで帰宅し、針を落とした瞬間を今でも忘れることはありません。当時のオーディオですから、レベルはしれたものでしたが、それまで聴いてきたレコードとは明らかに別次元の、「溢れんばかりの音圧」を体全体に受けた衝撃は、実に凄まじいものでした。まさにアナログ盤の凄さに開眼した瞬間でした。それ以降、少ない小遣いを工面して、同時期の英盤をはじめ、音の良い初期プレス盤を探しはじめることになりました。現在では、K.Wilkinsonはステレオ期の録音が大変有名ですが、むしろ本盤をはじめ、モノーラル期の素晴らしい録音も見過ごしてはならないと思います。レコ芸をはじめとするかつての国内評論の意図的な誘導により、ベートーベンの交響曲というと、すぐにフルトヴェングラーだということになりますが、実は海外ではそれほどフルトヴェングラーのベートーベンが愛聴されているわけではありません。ベストかどうか別にして、5番については、必ずこのE.クライバー指揮コンセルトヘボウの演奏はエントリに挙げられる名盤です。もし、まだオリジナルの英Deccaにてお聴きでない方にお試しいただけたらと存じます。モノーラル期のオケものはちょっと、という方にお薦めです。