ヴェルディ 歌劇 椿姫 シルズ ゲッダ パネライ ロイド ヴァンアラン 極美品 廃盤 1971.7. チェッカート ロイヤルフィル EMI トラヴィアータ

ヴェルディ 歌劇 椿姫 シルズ ゲッダ パネライ ロイド ヴァンアラン 極美品 廃盤 1971.7. チェッカート ロイヤルフィル EMI トラヴィアータ

ビヴァリー シルズの椿姫です。1971年のEMI録音。シルズの録音の中では中期くらいにあたる記録だと言えましょう。少し前の“ルチア”や “ホフマン物語” がABC録音で これ以降がEMI。この頃がちょうど契約の端境期なのだと思われます。配役表の下部には “シルズの参加は ABCレコードのご好意によるもの” との断り書きが添えられて、契約上は 未だ“ABC”所属ながら 実際にはEMIでの活動が始まっていた事が理解されます。引退時まで “声の調子が極端に変化した” との印象を抱かせなかった方ではありますが、それでも 70年頃までは声や表現に余裕があり トップフォームの自在さが感じられます。
シルズは 少し前のコロラトゥーラソプラノの雰囲気をそのまま受け継いだ芸ダチの方だったと記憶します。それでも “明るく 軽く 華やかな” 歌の上に“悲劇的な表情” を載せる事が抜群に上手い方でもあり、“ヴィオレッタ”は 彼女の持ち味の両面が堪能できる絶好の役柄だと考えられます。
プリマとして この“椿姫”などは念願の録音に違いなく、きっとEMI移籍の条件のひとつだったのだろうと想像されます。良い時期に良い録音が為されたものだと思います。
この盤は、シルズの他にも結構トピック満載ですので、以下に少し整理をして……
・ゲッダとパネライの共演は大変に豪華。“看板”の大きさは言うまでもなく、前者の“真面目さ” 後者の“人情味 滋味”などは 真似手のない貴重品。
・アルフレードは 下手くそな若手ではどうにもならない役。ゲッダは フランス物の録音でよくシルズと共演していたし、彼のヴェルディではこれがベスト。もしクラウスだったら鉄壁だったのだが、EMIがシャカリキになってクラウスの録音を始めるのは77年頃から。ちょっと悔やまれる。
・アリアの繰り返しを 全て実行している。ヴィオレッタのカヴァティーナ、ジェルモン父子のカバレッタすべてが２回歌われる。既に先例がある事とは言え やはり画期的な試み。父子の２曲はいつも評判が悪いが、“ディクエラピラ”と同工で、堂々と歌い飛ばせば良いことがわかる。
・指揮のチェッカートは、確かデ・サバータの女婿のはず。前奏曲が静的で“オヤッ”と思わせるが、本編は反対にかなり動的。シルズを助ける意味合いがあったのかもしれない。
・端役の一人に かつての名脇役 マリオ カルリンが配されていて驚く。二言くらいの役の為にイタリアから呼んだのだろうか。配役表には二役記されているが、次のバス歌手と混同したミスプリ。

極美品です。ブックレット表紙のみ少コスレ。その他は本体 ケース ともとても綺麗だと思います。ワーナーからもミッド盤が出ていたと記憶しますが、こちらは1988年のEMI盤。共に廃盤かと思います。

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