イエズス会挿絵本超絶稀覯書★ヘロニモ・ナダル『福音書画伝』1595年刊/利瑪竇/マッテオ・リッチ/程氏墨苑/

◆商品名◆

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◆商品説明◆
ヒエロニムス・ナタリス（ヘロニモ・ナダル）
『福音書の注解と瞑想』『福音書画伝』
アントウェルペン； Martinus Nutius、1595年刊第二版

16世紀にフランドルで印刷された書物の中でも最も美しいとされるイエズス会の挿絵本です。あまりに費用が嵩むためあのプランタンですら二の足を踏み、クレメンス8世の資金援助があって初めて完成した豪華本！当時の最先端の遠近法と科学技術書の挿絵から想を得て克明に描写されたイエス・キリストの生涯が、ロヨラの『心霊修業』にそって配置された本書は、イエズス会宣教師によって布教の武器として世界中で活用されました。特に中国にはマッテオ・リッチ（1552-1610 利瑪竇）が携行し、『 天主誕生出像經解』、『誦念珠規定』、『程氏墨苑』などの下敷きとして使われ、中国洋風画に多大な影響を与えたとされています。

初版は1593/94年刊。こちらはプランタンの後継者マルティヌス・ヌティウスから刊行された第二版。前半が『福音書の注解と瞑想』、後半が『福音書画伝』の構成です。

刊行当時の孔子革総革装。平に紋章。『福音書の注解と瞑想』の標題紙に記名とスタンプ。記名を削りとった跡が穴になっています。外装の状態は、背の上下端・溝の一部・縁と角の一部の革が補修されています。上下の花布欠。表の遊び紙が外れかかっています。本文の状態は、一部の余白に水濡れ跡がありますが、虫損・破れなく、極めて良好です。紙もパリパリしています。分厚い本ですが綴じも堅牢です。印字も図版もくっきり鮮明です。とても420年前の本と思えません。ただし『福音書画伝』の最後の2葉（152, 153番）欠。


本書は福音書の内容を銅版画によって図解したものである。巻頭のキリスト像を描いた扉絵に続き、序文、索引等があり、全部で153葉のエングレーヴィングがこれに続く。銅版画は、天使ガブリエルによるマリアへのお告げからはじまり、キリストの磔刑から昇天、マリアの死をへて、天上でのマリアの戴冠で終わっている。各葉にはその場面に該当する福音書の章が示してあり、その記述に従って画面下部に短い注釈が付記され、アルファベットで画中の対応する箇所が示されている。

注釈を書いたのはイエズス会で指導的な立場にあったヒエロニムス・ナタリス（ヘロニモ・ナダル）（1507-80）で、手稿は1575年頃完成したと思われるが、出版されたのはナタリスの没後13年もたってからだった。・・・

ともかくも1594年に『福音書の注解と瞑想』と題してアントウェルペンのマルティヌス・ヌティウスから刊行されることになるが、その１年前の1593年、ほとんど図版だけで成り立っている本書『福音書画伝』が出版された。ナタリスはイグナティウス・デ・ロヨラと知己の間柄であり、本書はその著作『心霊修業』の影響を色濃く反映している。ナタリスの随行者で本書の編集に携わったディエゴ・ヒメネスの序文では、イグナティウス自身がナタリスに指示し、修道士の瞑想と祈りのために役立つよう書かれたと述べられている。本書は宗教改革に対するカトリックの反撃という時代の動きの中で、あきらかにその反宗教改革の精神を如実に反映したものといえ、カトリック陣営全体にとっての模範的な教化のための書物として重用され流布した。遠く中国での宣教活動においても活用されることになったのは、言葉がわからなくても目でみて理解させることができるばかりでなく、背景にこういう経緯があった。

1500年代末から1600年代初頭にかけて中国・マカオ方面へ赴いたイエズス会の宣教師の何人かが、特に本書を携帯したいと申し立てた記録が残っている。本書が中国に到来した年代は正確には不明だが、1605年当時、マッテオ・リッチが一部所有していたことがその書簡からわかる。リッチは中国でずっとこの本を持ち歩き、同じイエズス会士の宣教師マヌエル・ディアスに貸した。・・・おそらく本書は中国に送られたものとみられ、図版は『天主誕生出像經解』（1637年刊）や『誦念珠規定』（1624年刊）、またとりわけ『程氏墨苑』（1606年刊）などの図像表現に多大な影響を与えた。 （町田国際版画美術館図録『中国の洋風画』展p.71-2）


本のサイズは写真では把握しずらいので、一緒に写している蛍光ペンとの比較においてご判断くださいませ。

当方が出品しております革装本はすべて、内外の図書館で採用されている処方（Brecknel Turner Saddle Soap、Klucel G、Talas Leather Dressing、SC6000等）でメンテナンスされておりますので、特別なお手入れなしでもしばらくご入手時の状態をお楽しみいただけます。




書名：ADNOTATIONES ET MEDITATIONES IN EVANGELIA QUAE IN SACROSANCTO MISSAE SACRIFICIO TOTO ANNO LEGUNTUR ; CUM EVANGELIORUM CONCORDANTIA historiae integritati sufficienti./ EVANGELICAE HISTORIAE IMAGINES, ex ordine Evangeliorum, quae toto anno in Missae sacrificio recitantur, in ordinem temporis vitae Christi digestae.
著者：Hieronymus NATALIS
出版社：Antuerpiae excudebat Martin Nutius
出版年：1595
言語：ラテン語
ページ数：[3f.], 636p., [3f.]/ [5f., 151f.]
サイズ：32x22cm
状態：商品説明を御覧ください

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◆コメント◆
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