露MELODIYA　センデロヴァス(vc)　カローサス：vcソナタ、アルモナス(fl)　シャミナード他　リトアニアQTの凄腕チェリスト

・第一面…シャミナード：コンチェルティーノ、パーセル：「ああ、彼はどれほど幸せか」「歌のない愛」(M.ドヴァリオナイテ編)(アルモナス(fl)、M.ドヴァリオナイテ(pf))。

・第二面…カローサス：vcソナタ(センデロヴァス(pf)、カローサイテ(pf))。

リトアニアには本当に名手が多いですね。紹介は第二面から。センデロヴァスは1917年生まれ、リトアニアQT最年長メンバーの凄腕チェリストです。同QTは四人ともソロ録音を残すほどの名手揃いですが、センデロヴァスも凄いです。メジャー曲の録音がなくリトアニア等の作曲家ばかりなのが残念ですが、同国はゲンダイ音楽ではなくロマン派的な良曲が多いので楽しめます。カローサス第一楽章、もうゾクゾクしてしまうような歌ですね。節回しが、音色が、ドラマティックに心を揺さぶってくるのになめらかで。たまりません。そして第二楽章、これが凄い。風に乗ったような音運びで、このチェロを聴いていると大空へと飛ばされるような心地になる。どこまでも飛んでいけそうなこの呼吸の広さ、深さ。そして胸を締め付けるような切なさがあるのですね。第三楽章、自由にほぐれて弾んでゆく愉悦の弦。このチェロには本当に頚木がないというか、グッと表情を込めると一気に大空にいるような心地になる。この幻想的な飛翔感は一体なんなのでしょうね。奏者のイメージ力が演奏に直結することの証でしょう。第一面はリトアニアの名手アルモナスのフルート。伴奏はマルガリータ・ドヴァリオナイテ、彼女はアデリーナ・ドヴァリオナイテの姉妹だったと思います。さて、シャミナード、この笛は声のように懐かしい。素朴で不安気に揺れて、土の匂いに近く、音楽をメルヘンやファンタジーの世界へ連れて行く。童話化するといえばいいのか、このアニミズムの感覚はリトアニアの名手にしばしば感じる個性です。パーセルのアリアを伴奏のドヴァリオナイテが編曲した2曲も素晴らしい。1曲目の素朴で鄙びた世界もいいですが、2曲目「歌のない愛」が特筆モノ。この哀切さにはまるで衒いがなく、この笛吹きが音楽にひらかれているのが分かる。伴奏も素晴らしく、音楽の世界をグッと濃度高いものにしてゆくのです。やはりバルト三国のレコードにはお宝が眠っていますね。特にセンデロヴァスの心揺さぶるチェロ、大推薦です。

盤質：盤面溝とも良い状態。ほとんど美品。

ジャケ：共通ジャケ。

【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。

美品(Ｍ)：新品並みの状態。

ほとんど美品(ＮＭ)：極浅い擦れや軽微な傷。

きわめて良好(ＥＸ)：年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。

良好(ＶＧ)：擦れや傷などが目立つ。＊音溝が活きてなければ出しません。

■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。