ゼニス製マルチバンド真空管ポータブルラジオ、MODEL H500、受信可能です。

アメリカのゼニス製造のマルチバンド真空管ポータブルラジオMODEL H500で、20年以上前ですがニューヨークのアンティークショップで購入したもので受信可能です。
日本でポータブルラジオというと小型のラジオが想像されますが、これはトランク大の大きさのラジオです。
これは屋内で使う時は電灯線から電源を取り、外出の際は自動車に乗せて外出、屋外では電池で受信出来る様になっていて、既に車社会だったアメリカらしい商品で、1940年代から1950年代にかけて多く製造されていました。
外挿は黒のレザー仕上げになっていて、何分年代物のためキズや擦れや汚れが有ります。
またダイヤル部のパネルにひび割れが有ります。
一方内部はサビや汚れは少なくて、かなり綺麗な状態です。





構成としては高周波増幅付きスーパーヘテロダインで、電池管の5球式となっていて、電源はセレン整流器です。
バンドは7バンドで受信範囲は上から
31ｍバンド、afternoon & evening(午後と夕方）、9.4MHz～9.9MHz
25ｍバンド、afternoon & evening(午後と夕方）、11.6MHz～12.1MHz
19ｍバンド、all day(終日)、15.1MHz～15.8MHz
16ｍバンド、morning（朝）、17.5MHz-18.1MHz
2～4MHz、weather marine & amateur(気象 船舶とアマチュア無線)、2MHz～4MHz
4～8MHz、weather marine & SWbroadcast(気象、船舶と短波放送)4～8MHz
BC、broadcast(放送)550KHz～1600KHz
7バンドとなっています。
左側のツマミは電源スイッチとボリューム、右側のツマミはチューニングです。
その下側のスライドスイッチはトーンコントロールになっています。


中波帯のアンテナは天井板が2枚構造となっていて、ループアンテナが組み込まれています。
ロッドアンテナは短波帯で使用され全長は約1.2m、先端のツマミを右に回すとロッドアンテナの先端がケースより飛び出し、ケースに押し込んで左に回すとロックされます。
内部に短波帯のアンテナターミナルが有りますが、ロッドアンテナの先端に外部アンテナを接続した方が感度は良くなります。



裏蓋の内側に有る金具は予備の真空管のホルダーの様です。

また吸盤が2個付いていて、裏はスナップになっていて取り外し可能ですが、この吸盤の用途は不明です。



短波帯では31mバンドが1番にぎやかで、外部アンテナを使えば、昼間は北朝鮮の日本語の放送位ですが、夜間だと台湾や北朝鮮の日本語の放送や、英語や中国語や朝鮮語の放送がかなり聴けます。
一方で19mバンド、16mバンド、2～4MHzはテストオシレーターの信号は受信しますが、音声はほとんど受信できません。

特記事項
1，何分年代物で購入時には既に外装のキズ、汚れ、擦れなど有りました。
2．購入時にはパネルのひび割れ、擦れなど有りました。
3．ボリュームにはガリは有りませんが、完全に絞りきれません。