露MELODIYA　ヨゼフ・ホフマン(pf)　「ゴールデン・ジュビリー・コンサート」　1937年　大名演！

・第一面…ショパン：バラード第1番、子守歌、アンダンテ・スピアナートとグランド・ポロネーズ。

・第二面…ショパン：ノクターン(Op.9-2)、ラフマニノフ：前奏曲(Op.23-5)、メンデルスゾーン：紡ぎ歌、ベートーヴェン：トルコ行進曲、モシュコフスキ：スペイン奇想曲。

1876年ポーランド生まれの大ピアニスト、ホフマンのピアノは簡素で直線的な印象なのに、その詩情はいとも簡単に人の心を引き寄せる。こういうのを王道、王者の風格というのでしょうか。1937年のゴールデン・ジュビリー・コンサートはホフマンがアメリカデビューして50周年の記念演奏会。CD時代に時代になってマーストンの良質な復刻で聴けるようになったのはうれしい限りですが、やはり音楽性の点ではレコードで聴きたい。となると米COLUMBIAが初出ですが、このMELODIYA盤の響きがとても自然な振る舞いなのでこちらも魅力的、となります。バラード第一番、この曲はこんなにも無数の想いが交錯する曲だったのか。豊穣なる余韻の世界。音の姿がシンプルなのにどうしてここまで心に響くのでしょう。子守歌のスピードが実に速い。流れ落ちるような速度で奏でていて、まるで流星群のなかに放り込まれたようなキラキラの世界。ペダルの上品さときたら陶然とするほどで、音がどこまでも透き通ってゆきます。アンダンテ・スピアナートとグランド・ポロネーズでの息を呑むような音楽の呼吸。なんてノーブルで自由奔放な愉悦なのでしょう。会場はもう虜です。裏面最初のOp9-2、この詩情はもはや完成されているといって過言ではないでしょう。ただただ聴き入ります。盟友ラフマニノフ、これが動物めいた嗅覚で表現していて圧巻です。音楽をその剛腕で捻り上げているようなスケール感。驚天動地の表現力です。メンデルスゾーンでは音が弾む弾む。アンコールかと思いますが、何百人の聴衆丸ごとを浮き立たせたことでしょう。ベートーヴェンのトルコ行進曲だって凄いのです。しばいている。この曲を引っ掻く度に内から黄金がこぼれおちてくる。最後のモシュコフスキはホフマンが若き頃に学んだ師匠ですから、もうこの曲は自家薬籠中。激流のように迫るかと思えばうっとりと心が滴って、翻弄されるとはこのことです。圧倒的な強度で悦楽のおもてなし。自然とブラヴォーがやってきます。ピアノを聴く喜びがこれほど大きい人もいないでしょう。途方もないピアニストです。

盤質：1937年のLIVE録音ですのでそれなりの音質なのはご了承ください。鑑賞には十分です。盤面溝とも良い状態。ほとんど美品。

ジャケ：共通ジャケ。

【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。

美品(Ｍ)：新品並みの状態。

ほとんど美品(ＮＭ)：極浅い擦れや軽微な傷。

きわめて良好(ＥＸ)：年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。

良好(ＶＧ)：擦れや傷などが目立つ。＊音溝が活きてなければ出しません。

■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。