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貴重廃盤 U.N.V. Somethings Goin' on 美しいフックのコーラスとメロディ、徐々に盛り上がっていく楽曲全体の構成が素晴らしい |
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Somethings Goin' on
UNVとは'Universal Nubian Voices'の略で、正式名称も略称も覚えにくそうなグループ名だが、曲中で何度か名称が出てくるのでこのアルバムを聴いていればいずれ覚えるはず。
メンバーは兄弟+2人。地元でインディーから発表した曲がラジオでヘビープレイされて話題となり、Madonnna(!)のMaverickレコードと契約してメジャーデビュー…、というシンデレラストーリーを歩んできたグループである。似たような経歴を持つグループとしてShaiを思い浮かべてしまうが、コーラスのスタイルはBoyz II Menに近い。その多重コーラスはお見事で、歌唱力の面では申し分ないグループ。
収録曲は全てJohn Penn IIという人物(恐らく彼もデトロイト出身)が手がけており、無難だが安定した楽曲を提供している。アップとスロウがほぼ交互に並ぶという構成はやや微妙だが、ほとんど自主制作レベルで作り上げてることを考えると充分な出来ではないだろうか。
全米59位、R&Bチャート7位というヒットアルバムである。
シングルは4曲中3曲がバラード。地元でスマッシュ・ヒットとなった有名なデビューシングルが(7)"Something's Goin' On"である(全米29位、R&Bチャート3位)。各リードの熱いヴァース部分と重厚なコーラスは素晴らしいが、あと一工夫欲しい気はする。3rdシングル"Close Tonight"、アカペラ風の2ndシングル(9)"Straight From My Heart"はイマイチ。シングルとしてフロアで使えそうなのはニュー・ジャックの雰囲気が残る(8)"2 B Or Not 2 B"ぐらいか。
シングルカットされていない曲のほうがむしろ面白く、冒頭の(1)"UNV Thang"はハネたビートと疾走感のあるトラックがノリノリで好曲。恐らくアルバムベストはバラードの(2)"When Will I Know"で、美しいフックのコーラスとメロディ、徐々に盛り上がっていく楽曲全体の構成が素晴らしい。
所々にコーラスを挟んで単調さから免れたアップ(5)"Gonna Give U What U Want"、アルバム中では最もポップなバラード(10)"Hold On"辺りもクオリティは高い。
間違いなくコーラスワークはトップレベルに位置するボーカルグループ